毎年4月にH-1B の申請受付が開始しますが、今年も申請枠を超える申請者がみこまれるため、昨年度同様、抽選により審査対象者が選ばれることになりそうです。そこで、H1B 以外に申請可能なビザを紹介しましょう。隣国のカナダやメキシコ国籍保有者であれば、NAFTA 北米自由貿易協定に基づくTNビザを利用することができます。TNビザはH-1Bビザのように年間発行枠は設けられていないため、いつでも申請することができます。ただし、TNビザの対象者はNAFTA の専門職リストにある職種に限定されています。NAFTA の専門職は大卒以上を必要とする職種を主にとりあげていますが、H-1B の専門職の分野よりはやや範囲が狭く
なっています。TN に該当する職種には主に下記のものがあげられます。

TN 専門職.
Accountant, Architect, Computer Systems Analyst, Disaster Relief Insurance Claims Adjuster, Economist, Engineer, Forester, Graphic Designer, Hotel Manager, Industrial Designer, Interior Designer, Land Surveyor, Landscape Architect, Lawyer, Librarian, Management Consultant, Mathematician, Range Manager/Range Conservationalist, Research Assistant, Scientific Technician/Technologist, Social Worker, Sylviculturist, Technical Publications Writer, Urban Planner, Medical/Allied Professional, Vocational Counsellor, Scientist, Teacher

同じTNビザでも、カナダ国籍保有者とメキシコ国籍保有者とでは申請方法が異なります。

カナダ国籍保有者.
カナダ国籍保有者は、カナダの米国大使館でビザを申請する必要はないため、申請者は雇用主の会社情報、ポジションの職務内容および申請者の学歴や職歴、さらにカナダ国籍を証明する書
類を米・カナダの国境で提示すれば、その場でTNの資格を審査されます。書類が認可されれば、TN滞在資格で米国に入国することができます。滞在は一回に最長3年まで許可されます。

メキシコ国籍保有者.
メキシコ国籍保有者は、米国への入国にはビザが必要なため、メキシコの米国大使館か米国領事館でTNビザを申請する必要があります。また、メキシコの米国大使館や米国領事館は、米国の雇用主からのオファーを確認するために、米国の雇用主に確認のイーメールを送ることがあります。ビザが無事に承認されれば、米国に入国できます。メキシコ人の場合TN ビザ・スタンプは1年間有効ですが、入国時には一回に最長3年までの滞在が許されます。

延長・変更申請.
TN への変更や延長申請を行うには、米国内で申請する方法と、国境から再入国する方法があります。(米国内での申請)現在F1 やH1B ビザで米国に滞在している人であれば、米国内にて移民局にTNへの滞在資格変更を申請することもできます。また、TN滞在資格の延長や雇用主変更を行う場合も、移民局に申請をすることができます。承認を急ぐのであれば、特急料金$1225 を移民局に支払えば、15日以内に審査をしてくれます。ただし、追加証拠の要請がきたら、要請された証拠を提出してから、さらに15日以内に審査されます。(国境での申請)カナダ人であれば、TN の証拠書類をもってカナダの国境で再審査してもらい、TN の滞在資格を延長することができます。メキシコ人であれば、メキシコの米国大使館もしくは米国領事館でビザスタンプを再度申請して、入国しなおすこともできます。

配偶者.
TNビザの配偶者にはTDという配偶者ビザが与えられます。配偶者はTD申請時にTN申請者との結婚証明書を提示する必要があります。TD配偶者は就労許可証を申請することはできませんが、雇用主がみつかれば、その他の就労ビザ滞在資格への変更申請を行うことはできます。

 

執筆:大蔵昌枝弁護士

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