雇用主スポンサーによる永住権の待ち時間が2015年度にはいって大幅に短縮されています。雇用主スポンサー(もしくは特殊技能)による永住権の申請には5つの優先枠がありますが、第1優先枠は卓越した能力をもつ研究者、科学者、芸術家、また日本の関連会社から派遣された上級管理職;第2優先枠は科学・教育・ビジネス分野で有能な能力をもつ外国人、大学院以上の学位保持者、もしくは米国にに有益な貢献をするもの(National Interest Waiver);第3優先枠は一般学士保持者、 熟練・非熟練労働者;第4優先枠は宗教活動従事者やその他の特殊なケース;第5優先枠は投資者用ビザ、となっています。第1優先枠に該当する卓越技能保持者や日本から派遣される上級管理職以外のほとんどの人は、通常第2か第3優先枠で永住権の申請を行ってます。

 

第3優先枠のPriority Dateは2015年6月時点で2015年2月15日と発表されています。Priority Date(“PD”)とはLabor CertificationもしくはI-140を申請した日のいずれか早い日をさしますが、自分のPDがきたらI-485永住権申請を提出することができます。現時点での待ち時間は4ヶ月ということになりますが、Labor Certificationの審査自体5~6ヶ月かかっているので、Labor Certificationが承認されたら、すぐに永住権の申請を行うことができます。つまり、実質待ち時間はゼロということになります。しかしながら、この待ち間がいつまでつづくか保証はありません。リーマンショック以前は第3優先枠の待ち時間は7年間あったので、いつまた待ち時間が長くなるかわからないので、順番がまわってきたら、速やかに永住権申請を提出したほうがよいでしょう。しかしながら、同じ第3優先枠でも国籍によって待ち時間がことなってきます。中国国籍者は6月時点で3年半ほどに待ち時間が短縮されました。反面、インドやフィリピン国籍者の待ち時間には11年、10年と依然として長蛇の列ができています。

 

第2優先枠での永住権申請は、日本国籍者には待ち時間がありませんが、今年の6月時点で中国国籍者には2年、インド国籍者には待ち時間が6年半ほどあります。第5優先枠の投資による永住権申請(EB-5)には、現時点では中国国籍者のみ2年間の待ち時間ができました。第1優先枠と第4優先枠には、現時点ではどの国にも待ち時間はありません。

 

Labor Certificationが承認されたら、次に 雇用主によるスポンサー申請 (I-140)を行いますが、現時点でこの審査時間は4ヶ月ほどかかっています。待ち時間がなければ、本人による永住権申請 (I-485)も同時に行うことができますが、この審査時間はネブラスカ・サービス・センターでは4ヶ月ほどですが、テキサス・サービス・センターでは審査に遅れが出てきる様子で、現時点で7~8ヶ月ほどかかっているようです。

 

結婚や家族スポンサーによる永住権申請に関しては、米国市民権保持者の配偶者、子供(21歳未満)、親には年間枠制限が設けられていないため、順番をまつことなくいつでも永住権を申請することができますが、その他の家族スポンサー・カテゴリーであれば、それぞれの年間枠に応じて永住権申請に待ち時間が設けられています。永住権保持者の配偶者や子供(21歳未満)の永住権の申請は、数年前までは待ち時間が3年ほどありましたが、今年の6月時点では待ち時間が1年半まで短縮されています。21歳以上の未婚の子供は現時点での待ち時間が6年半ほどとなりますが、フィリピン国籍者は11年、メキシコ国籍者は待ち時間が20年となります。

 

米国市民の子供(21歳以上)が永住権を申請する場合、未婚の子供であれば待ち時間が7年半、フィリピン国籍者であれば15年、メキシコ国籍者であれば待ち時間が21年となります。既婚の子供は待ち時間が11年ほど、フィリピン国籍者は21年半、メキシコ国籍者は待ち時間が21年ほどとなります。

 

米国市民の兄弟が永住権を申請する場合、待ち時間が12年半ほどありますが、メキシコ国籍者であれば18年、フィリピン国籍者であれば待ち時間が23年半ほどとなります。

 

永住権の待ち時間は随時変更していますが、国務省のウエブサイトhttp://travel.state.govのvisa bulletinにPriority Dateが毎月アップデートされていますので、自分の待ち時間を随時確認し、順番がまわってきたら速やかに書類を提出する準備をしたほうがよいでしょう。

執筆:大蔵昌枝弁護士

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Posted: 5/20/2015