家族スポンサーによる永住権の申請には、米国市民がスポンサーになる場合と永住権保持者がスポンサーになる場合があります。米国市民はその配偶者、親、子供、兄弟姉妹の永住権を申請することができます。永住権保持者は配偶者と子供の永住権を申請することができます。

米国市民の配偶者・親・21歳未満の子供は直近家族とみなされるので、永住権の申請に待ち時間がありません。そのため、米国市民によるスポンサー申請 (I-130 Immigrant Petition) と本人による永住権の申請 (I-485 Application to Register Permanent Residence or to Adjust Status) を同時に申請することができます。審査期間は申請場所によってまちまちですが、現時点ではおよそ6~8ヶ月ほどかかっているようです。永住権申請時に結婚暦が2年未満であった場合、偽装結婚ではないことを証明するために、初回は2年間の条件付の永住権が発行されます。条件付永住権の有効期限が切れる前の90日間に永住権の条件を取除く申請 (I-751 Petition to Remove Condition on Residence) を提出することにより、10年間有効な永住権を申請することができます。この時に、条件付永住権を発行されてから、引き続き有効な結婚関係を保っていた証拠資料を提出します。場合によっては2回目のインタビューを要請される場合もあります。もしこの間に離婚が成立した場合、通常は永住権の更新はできなくなりますが、例外としてWaiverを申請できる場合もあります。Waiverを申請できる主な証拠理由として、本国へ帰国すれば極度な苦境に陥ること、結婚当初は善意の婚姻であったこと、あるいは配偶者の暴力や残虐行為の被害者であること、などがあげられます。それぞれの理由の証拠資料が必要となりますので、専門家に相談するのがよいでしょう。

米国市民が既婚の子供の永住権をスポンサーする場合、年間発行枠が定められているため、米国市民がスポンサー申請を行なった後は、順番がまわってくるまで、本人による永住権の申請を行なうことができません。2013年12月時点でおよそ10年の待ち時間があります。メキシコやフィリピン国籍の子供であれば、およそ20年の待ち時間があります。米国市民が兄弟姉妹の永住権をスポンサーする場合、現時点では12年ほどの待ち時間があります。メキシコやフィリピン国籍の兄弟姉妹であれば、およそ17~23年の待ち時間があります。

永住権保持者が配偶者や子供の永住権をスポンサー申請する場合も、年間枠が定められているため、永住権保持者によるスポンサー申請を提出したあと、順番がまわってくるのをまって外国人配偶者・子供が自らの永住権の申請をします。待ち時間に関しては、今までは3s年以上ありましたが、2013年12月時点では2~3ヶ月まで短縮されました。また、永住権保持者の既婚の子供(21歳以上)の待ち時間は、現時点で7~10年ほどです。メキシコ国籍者の場合は20年ほどです。尚、待ち時間は随時変わっていますので、国務省が毎月発表しているVisa Bulletin(http://travel.state.gov/visa/frvi/bulletin/bulletin_1360.html)で待ち時間をチェックを行ない、順番が回ってきたら速やかに申請を行います。

尚、永住権申請まで待ち時間のある場合、永住権申請の順番がまわってくるまでは、旅行許可証も就労許可証も申請できません。しかし、移民の意思を表明してもよいH-1BやLビザ保持者であれば、順番待ちの間もこれらのビザ資格で就労・海外旅行を行うことができます。

永住権申請の順番がまわってきたら、永住権申請と同時に就労・旅行許可証も申請できます。就労許可証が届いたらソーシャル・セキュリティー・ナンバーを申請し、永住権が認可されるまで就労を行うことができます。H-1BやLビザ保持者の場合は、旅行許可証(Advance Parole)がなくとも有効なH-1B・Lビザで入国することができますが、永住する意思を示してはいけないビザ種類で滞在していれば、旅行許可証が発行される前に出国すると、入国できない、もしくは入国時に永住権申請を取り下げられる可能性がありますので注意が必要です。ただし、旅行許可証があっても、米国滞在歴に違反があった場合は、入国を拒否される可能性もありますので、違反・犯罪歴のある人は国外への出国は避けたほうがよいでしょう。

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執筆:大蔵昌枝弁護士, ベーカー・ドネルソン法律事務所
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