同性婚カップルのビザ

米国には連邦法と州法の2種類の法律があります。法律の内容により連邦法管轄のみのもの、州法管轄のみのもの、また連邦法と州法両方に管轄されるものがあります。例え、税金に関しては、住民は連邦税と州税の両方を納める義務があります。移民法に関しては、連邦法の管轄となるため、州レベルで法律を成立させることはできません。婚姻関係に関しては、通常は州政府の管轄となりますので、各州の法律に従うことになります。ところが、1996年9月に連邦政府は、同性婚は連邦法上は認められないという、DOMA(Defense of Marriage Act)という法律を成立させました。つまり、結婚とは男女間のものを指すものであり、配偶者とは異性の相手を指すという定義を発表しました。さらに、各州は同性婚を合法化している他州での結婚を認めなくてもよいとしています。また、DOMA法により、同性婚を認める州で結婚しても、同性婚カップルは社会保障制度や夫婦合算税務申請など、連邦法上は配偶者としての便宜を受取ることができませんでした。さらに、連邦移民法上では、同性婚カップルは各種就労ビザや学生ビザ保持者の配偶者としてビザを申請することができず、米国市民権や永住権保持者は同性配偶者の永住権のスポンサーとなることもできませんでした。したがって、同性の配偶者は、 短期観光ビザなどを申請して、短期的に米国に滞在するほかには配偶者と一緒に米国に滞在するすべがありませんでした。

しかしながら、17年後の2013年6月26日、米国最高裁はついに結婚の定義を異性間に限定するDOMAの第3章は米国憲法修正第5条の法の適正手続に違反するという判決を下しました。この判決により、同性婚カップルは、同性婚を認める州で結婚していれば、連邦法上の便宜をうけられるようになりました。例外として、同性婚を認めない州で結婚していても、居住州や結婚式を行った州が同性婚を認めていれば、連邦移民法上のベネフィットをうけられることもあるようですが、例外措置は個々の事情や状況によって判断されます。ただし、この2013年の判決では、DOMAの第2章は影響をうけなかったため、各州は依然として他州で認められた同性婚を自州で認める義務はありません。

移民法上は、同性婚を認める州で結婚していれば、学生や就労ビザ保持者は配偶者やその子供を同伴家族としてビザを申請することができるようになり、また家族の永住権をスポンサーすることがきるようになりました。また、米国市民は国外に待機している同性のフィアンセをフィアンセビザで米国につれてくることもできるようになったため、配偶者は国外で長い時間待つ必要がなくなり、一旦米国に入国し、渡米後3ヶ月以内に米国内で結婚手続きをすませれば、米国内にて永住権を申請を行うことができるようになりました。

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Posted 11/12 2014