雇用主スポンサーによる永住権の申請には5つの優先枠がありますが、第1優先枠に該当する研究者、科学者、芸術家、また日本から派遣された上級管理職以外は、通常は第2優先枠もしくは第3優先枠で申請することがほとんどです。これらの優先枠で永住権を申請する場合、雇用主がまず労働局に外国人労働許可申請 を申請します。労働局の承認をえたら、次に移民局に雇用主がスポンサー申請を行い、最後に本人が永住権の申請を行ないます。以下にその申請方法と申請時間について説明します。

(1) 外国人労働許可申請 (Labor Certification Application)
まず最初に、雇用主が労働局に対して外国人労働許可申請の申請を行いますが、雇用主は労働局が決定した平均賃金をもとに求人広告を掲載して、米国市民や永住権保持者で最低資格条件を満たす人材がいなかったことを証明しなくてはなりません。この証拠として雇用主の勤務場所に10日間の内部求人広告掲示を行い、また地元の政府機関に30日間の求人広告掲示を行います。その他にも地元で有力な新聞の日曜版に2回求人広告を載せます。さらに、大卒を条件とするような“professional”な職種に該当すれば、この他にもジョブフェア;雇用主のウエブサイト;インターネットを使った求人広告 ;キャンパスでの求人活動;専門雑誌や業界新聞広告 ;就職斡旋会社 ;報酬付社員紹介制度 ;大学の就職課 ;ローカル新聞もしくはエスニック新聞 ;ラジオやテレビ広告の中から3つの広告媒体を選び求人広告を載せる必要があります。すべての広告義務を果たし、米国市民や永住権保持者で該当者がいなかったら、オンラインにて外国人労働許可申請書を提出します。2013年の10月時点で、この過程全体でおよそ6-10ヶ月ほどかかっています。

(2) 雇用主によるスポンサー申請 (I-140 Immigrant Petition for Alien Worker)
外国人労働許可申請が承認されたら、次に雇用主は移民局に外国人労働者の雇用主スポンサー申請を提出します。第2優先枠は、修士号以上の学位保持者もしくは科学、教育、ビジネス分野で優れた能力をもつ外国人を対象としています。また当該ポジションが院卒以上の学歴もしくは大卒プラス5年以上の専門的職務経験を条件としているものでなければなりません。第3優先枠は大卒、熟練・非熟練労働者を対象としていますが、実質第1・第2優先枠に該当しない人はほとんどこの枠に該当します。 雇用主は上記の外国人労働許可の承認通知書を移民局に提出して、この外国人労働者の雇用をスポンサーする意向があることを申請します。この審査期間は、2013年10月時点おいて約4ヶ月年程要しています。

 (3) 本人による永住権申請 (I-485 Application to Register Permanent Residence or Adjust Status)
外国人労働許可申請と雇用主スポンサー申請が承認されたら、最後に申請者本人が永住権の申請を行います。ただし、それぞれの優先枠には年間枠が割り当てられており、第3優先枠は2013年10月時点で3年ほどの待ち時間がありますので、自分の順番がまわってくるのをまって、永住権の申請をします。第2優先枠は、日本国籍保有者には現時点では待ち時間がありませんので、上記の雇用主によるスポンサー申請と一緒に永住権の申請も提出することができます。永住権の審査時間は、2013年10月時点で4ヶ月程です。

永住権の申請とともに就労・旅行許可証も申請しますが、移民の意思を表明してもよいH-1BやLビザ保持者は、永住権申請中もH-1BやLビザで米国を出入国することができます。移民の意思を表明してはいけないB1/B2、F-1、J-1やEビザ保持者は、永住権申請中はこれらのビザでの米国入国は拒否される可能性がありますので、旅行許可証を入手するまで国外にでるのは避けたほうが無難でしょう。この旅行許可証で入国すると、滞在資格が“Parolee”に変更になりますのでご注意ください。また個々の事情によってさまざまな注意事項があるため、必ず担当弁護士に相談しながら、申請を進めた方が無難でしょう。

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執筆:大蔵昌枝弁護士, ベーカー・ドネルソン法律事務所
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