雇用主変更と滞在資格の維持

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現在アメリカの短期就労ビザで就労しているものが雇用主の変更をする場合、アメリカにいながら雇用主変更申請を行うこともできますが、その為にはアメリカでの滞在資格を維持していたことを証明する必要があります。アメリカでの滞在資格を違反した場合は、日本の米国大使館か米国領事館で申請することになります。

 

H-1B保持者が米国内で雇用主変更を行うためには、新雇用主がH1B申請を完了するまで、前雇用主を離れることはできません。H1Bの承認期間満了まで勤務した場合、期限失効日から、10日間の猶予期間があたえられますが、H-1B雇用が期限満了前に終了した場合は猶予期間をあたえられないため、翌日から滞在資格を失います。

米国内で雇用主変更申請を行うためには、前雇用主との雇用が終了する前に新雇用主が移民局にH1B書類を提出しなければなりません。申請時にまだ雇用が続いていた証拠として、H1B申請書類と共に直近の給与明細のコピーを提出します。

ここで注意する点ですが、提出した給与明細の額が前雇用主の移民局に申請した給与額を下回っていないことも確認したほうがよいでしょう。仮に新規雇用主の申請であっても、前雇用主の給与額がH1B賃金を下回っていることが判明すれば、前雇用主のもとに監査がはいらないという保証はありません。

また、H-1BにはPortability の適用があるため、前雇用主とのH-1B雇用関係終了前に新雇用主がH-1Bを移民局に提出すれば、承認を待たず翌日から転職先で就労を開始することができます。H1Bが承認されるまで240日間はPortabilityの適用で就労を続けることができますが、240日以内に承認がこない場合は、一旦就労を停止しなければならないので、注意が必要です。

 

LビザやEビザ保持者が米国内で雇用主変更を行う場合は、前雇用主との雇用が終了する前に新雇用主が移民局にEもしくはH1Bの申請を行うことができます。H1Bは今年の申請はすでに締め切ったので、大学など年間枠免除団体でない限りは、来年の4月まで申請できません。新雇用主が移民局にEやH1Bでの雇用変更を申請する場合は、申請時に前雇用主との雇用関係が続いていた証拠を提出しなければなりません。

ただし、EからH1Bへの変更申請やEからEへの雇用主変更の場合はPortabilityが適用されないため、新たなEやH1Bが承認されるまで、転職先での就労を始めることができません。新雇用主のH1BやEの滞在資格が承認されれば、承認通知書についてくるI-94の有効期限までアメリカ国内で就労をつづけることができますが、一旦国外にでれば、再入国するために日本の米国大使館か米国領事館でビザスタンプの申請を行う必要があります。

 

ここで注意すべき点ですが、Eビザは各国間で取決められた条約ビザであるため、H1BやLとは異なり、ビザ面接時に米国大使館や米国領事館で新たにEビザの審査をされます。移民局管轄のH1BやLビザは、移民局の承認通知書があれば米国大使館や領事館でのビザ面接は簡単な質問でおわりますが、国務省管轄のEビザは、仮に移民局発行の承認通知書があっても、米国大使館か米国領事館は国務省の基準に則って新たにEビザ資格の審査を行います。

 

前雇用主との雇用関係終了後に新規雇用主が見つかった場合は、一旦国外にでなければなりません。移民法上は職場に出社しなくなった時点で雇用終了とみなされるので、出社しなくなった時点でオーバーステイがはじまります。

オーバーステイや滞在資格違反が180日を越えると、3年間は米国に入国禁止となるので注意が必要です。オーバーステイや滞在資格違反が365日を超えると、米国には10年間は入国禁止となるので要注意です。

 

オーバーステイをすると、ほとんどの場合米国内にて滞在資格の変更申請を行うことはできませんが、オーバーステイが180日を越えなければ、米国外でビザを申請することはできます。ただし、オーバーステイがあれば将来ESTAの申請ができなくなるので注意が必要です。オーバーステイへの見方が厳しくなっているため、滞在資格を失う前に速やかに国外に出たほうがよいでしょう。

 

執筆:大蔵昌枝弁護士

 

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Posted on July  22, 2016