雇用法・移民法ニュース

2015年4月7日に2016年度のH1Bビザ申請の受付が終了しました。H-1Bには一般枠として6万5千枠と米国の修士・博士号取得者用の2万枠の計8万5千枠が設けられていますが、本年度は初週に23万3千人の申請がありました。これは昨年度の18万件にくらべ、申請者が約20%ほど増えているようです。4月

14日にすでに無作為の抽選がおこなわれ、およそ30%ほどの申請者が選ばれました。プレミアム申請をした人は4月27日から審査がはじまり、15日で審査が終了します。当選した人には受領通知書が送られてきますが、今回当選しなかった人は、申請書類と申請費用がそのまま返却されてきます。

H1Bの抽選に当選した人は、申請が承認されれば、10月1日の就労開始となります。では、審査期間中ははどのような対応ををしたらよいのでしょうか?

 

抽選に当選した場合:

現在OPTで就労している人はOPTの期間中ははそのまま継続して就労を続けることができます。H-1B申請時にOPTが有効で、さらに10月以前にOPTが失効する人は、大学のインターナショナル・オフィスにH1Bの受領通知書をみせれば、OPTの期間を9月30日まで自動的に延長してくれます。ただ、この自動延長というのはH1Bの審査待ち時間中就労がとだえないように便宜を図ったものなので、就労カードを申請するものではありません。OPTの自動延長についてI-20に明記されますが、自動延長期間中は国外への旅行は極力さけたほうがよいでしょう。

H1Bが却下された場合は、その時点で自動延長されたOPTも失効します。ただし、STEM(理数系)に該当する専攻分野の学生であれば、OPTをさらに19ヶ月の延長することができますので、今回H1Bが却下されても、引き続きOPTで就労を続けることができます。ただし、雇用主がE Verifyに加入することが条件となります。また最初のOPT期間中に90日以上非雇用状態がないことも確認が必要です。19ヶ月OPTを延長すれば、再度来年度のH1B枠で申請することもできます。もちろん前回の却下理由によっては、雇用主変更、職種変更などを検討する必要もでてくるかもしれませんので、専門家に相談したほうがよいでしょう。

H-1B申請時にOPT期間がすでにきれており、OPTの猶予期間(Grace Period)中にH1Bを申請した人は、H-1B開始の10月1日までの期間は米国内に滞在することはできますが、就労することはできません。その間一旦米国を出国したら、F1/OPTの資格では入国できなくなりますので、要注意です。

 

抽選にもれた場合:

H1Bの抽選にもれた場合、申請書類と申請費用が一緒に返却されます。抽選に漏れてもOPT就労カードがまだ有効であれば、その有効期限まで米国内で就労することができますが、OPTの猶予期間がきれるまでに、米国内でそのほかの滞在資格への変更申請を提出しない限り、60日の猶予期間が切れるまでに米国を出国しなければなりません。再度他のプログラムに入学して、F1学生に戻ることも可能でしょう。また、引越し手続きなどでまだ数ヶ月間米国にいる必要がある人は、OPTの猶予期間が切れる前にB2観光ビザ滞在資格への変更申請を行うか、一旦日本にもどりESTAで入国することもできます。また、その他の研修ビザや就労ビザの申請資格を満たすか検討してみることもできます。ただ、いずれの方法にも注意事項がありますので、専門家に相談したほうがよいでしょう。

 

枠免除カテゴリー:

H-1Bの枠に引っかからない雇用主がいます。例えば、非営利団体の大学機関、非営利団体の大学機関と連携プログラムがある機関(たとえば、大学からインターン生をうけいれている病院など)、もしくは政府や民間の非営利のリサーチ団体などは、H1Bの年間枠の制限をうけませんので、年中いつでもH1Bを申請することができます。また、H1Bはフルタイムでもパートタイムでも申請できます。枠免除の雇用主がH1Bを申請すれば、枠免除の雇用主のもとで就労が続く限り、枠該当の雇用主も第2雇用主としてH1Bを申請することができます。ただし、この場合、枠免除の雇用主との雇用関係が切れたとたん、枠該当の雇用主での雇用も無効となります。枠該当の雇用主が単独でH1Bをスポンサーするためには、新年度枠をまって、新たにH1Bを申請しなければなりません。

 

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Posted 4/22/2015