2015年5月26日から、特定条件を満たすH1Bの配偶者(H4ビザ保持者)は就労許可証を申請できるようになりました。配偶者の就労許可証はいままではEビザ、LビザやJビザ保持者に限られていましたが、H1B保持者も永住権申請を始めていれば、その配偶者は就労許可証を申請して収入を得ることができるようになりました。この措置は高度な技術や知識をもつ人材をアメリカにひきつけ、アメリカの経済を活性化しようという目的で提案されました。

H1B配偶者の就労許可証については、昨年11月下旬に発表された大統領令による移民法改正案の一項目でありましたが、共和党の反対から大統領令の合法性が訴えられ、今年の2月には最終判決がおりるまで大統領令の施行は一時的に差し止められることになりました。差し止めの対象となったのは不法移民に一時的な就労許可証と滞在資格を与えようという項目で、幸いH1B配偶者に就労許可証申請資格を与える項目は対象とならなかったため、予定どおりにH4保持者は就労許可証を申請できるようになりました。

申請の対象となるのは、H1Bの配偶者でH4ビザを保持している人で、さらに(1)H1B保持者が永住権の申請を始めており、雇用主スポンサーによる移民申請(I-140)がすでに承認されていること、もしくは、(2)H1B保持者が最長期限の6年をこえて滞在期限を延長していることが条件となります。H1Bを最長期限の6年を越えて申請するためには、本人が雇用主スポンサーによる永住権申請を始めており、さらに(1)H1Bの6年目期限までに永住権申請の第1ステップである労働局へ労働条件 (Labor Certification)を申請してすでに1年が経過していること、もしくは(2)永住権申請の第2ステップである雇用主スポンサーの移民申請(I-140)が承認されていること、のいずれかの条件を満たしていなければなりません。

従来はH1Bの配偶者(H4)が就労を希望する場合、自ら雇用主スポンサーをみつけて、H1Bビザを別途申請するか、もしくはH1B保持者が永住権申請の第3最終ステップである滞在資格変更(グリーンカード申請)を申請する順番がまわってくるのをまってから就労許可証を申請することができました。ただ、第3優先枠での永住権申請にはいままで2~7年ほどの待ち時間があったため、H4保持者は、H1Bの最長6年間、さらに永住権の順番待ちを加えておよそ10年間にもわたって就労することができませんでした。

今回の措置により、初年度はおよそ18万人もの申請が予想されており、翌年度からは毎年5.5万人の申請が予想されています。しかしながら、入国と同時に就労ビザを申請できるEビザやLビザの配偶者に比べると、H4保持者の就労許可証申請条件はまだまだ万全であるとはいえませんが、それでも、今までの待ち時間に比べればはるかに改善されたといえるでしょう。また、配偶者の就労許可証には、H1BやEやLビザ保持者本人に課せられるような雇用主や仕事内容に関する制限はなく、自由に仕事を選ぶことができるため、アメリカに滞在している期間、より幅広く活動範囲を広げることができるでしょう。

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執筆:大蔵昌枝弁護士, ベーカー・ドネルソン法律事務所
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